kara1216_mathのなつやすみのにっき

私のなつやすみのにっきです。主に数学の話(読んだ数学書の進捗報告)をします(時々アニメと陸上の話もする)

院試体験記

同期のすくくん(@0214sh7)に「院試体験記書けオラ!」って脅されたので、深夜の3時に院試体験記を書いています、から(@kara1216_)です。

ということでとりあえず院試体験記なるものを書いていきます。おそらく人生最後の試験だったので、これで試験なるものからおさらばできると思うと大変良い気分ですね。

マジでまとまりのない文章なので、読みにくいと思います。深夜に書いてるので仕方ないね。というか院試体験記というよりはB3終わり〜B4前期の振り返りって感じになりそうなお気持ちです。

 

まずは私の現在の所属等を書きます。

現在私は東京工業大学とかいう大学の理学院 数学系というところに所属しています。専門は数論とか数論幾何になるのかしら?(某の合格発表時の時の分野が書かれてるやつには数論幾何って書かれてたので、数論幾何って事にしておきます。数論幾何とか怖い話何も知らんけど…。)

受けた大学院は第一志望がRIMS(京大の数理解析系)で第2志望が東工大の数学系です。一応両方とも合格することができました。(運が良かった&周りの仲間に恵まれたのが勝因です。)

まずは何で外部を受けようと思ったのかみたいな話をします。(きっかけの話。)

私は学部2年後期くらいからGalois理論そのものがが面白いな〜って漠然と思っていて(群論的な情報で多くの物事が統制される、記述される事に強い関心を持っているのかもしれない)3年の前期くらいに被覆空間のGalois理論とか言うものの存在を知りました。そこで、H先輩におすすめの本を聞いたところ『Galois Groups and Fundamental Groups』という本を紹介されて(補足しておくと、先輩曰く紹介はしたけどおすすめの本ではないと言われました。まあ実際読みにくい本なので苦労してます。)、3年の夏休みくらいからそれをずっと読んでいました。(今も読んてる。)そこでは題名と通りGalois群と基本群の話が扱われていて、その流れで自然に遠アーベル幾何学という単語を意識するようになりました。(4章の最終節でサーベイ的な形で遠アーベル幾何の結果がまとめられていて、そこには望月新一先生や玉川先生の結果が数多く引用されていた)

また数体の等の数論的な体の絶対Galois群そのものへの興味等も自然に持つようになりました。(ノイキルヒ・内田の定理やポップによるその拡張等、また外Galois作用とベリーの定理などが載っていた。)

そんなこんなでB4以降の所属する研究室を決めるタイミングがやってきました。その時に面談した今の指導教員(tgc先生)が、「君がやりたいことを今のまま突き詰めていきたいならば数理研(京大の数理解析研究所=RIMS)に行くべきだ」とおっしゃられて、あまり深いことを考えてなかった自分は、とりあえず外部院進って逆張りっぽいし性にあってるななんてのんきな事を考えて、余裕があったらそっちに行くか〜なんて考え始めました。

これが外部院進を決めた大まかな理由になります。(他にも色々理由はあって例えば22年間居る東京から出てみたかったとか、リベ院=リベラルアーツ研究教育院が嫌だったとかですね。博士課程まで文系強要なんてやってられるかってなってた。)まあやはり遠アーベル幾何をやりたいと思ったらRIMSへの進学を考えるのは割と自然な流れですよね。現状あんなに一つの分野の研究者が一つの研究所に集まってるなんて早々ないだろうから。(ただ、tgc先生は面談のときに東でもそういう話を盛んにしたいよねって仰られていたので、僕も数理研で色々学んでアカデミアに残れることがあればいつかこっちに戻ってきてそれを実現したいなぁなんて願望があります。仮に実現するとしてもまだ遠い未来の話だけど。)

 

それからB3の4q(うちの大学はクォーター制)が終わるまでは院試の事はさっぱり忘れて色々自主ゼミをしたり講義を受けたりしてのんびり過ごしていました。(ただこの時期にも趣味的な感じで自主ゼミや講義とは別に永遠にGalois理論の基礎的な命題の証明を空で書けるようになるまで繰り返すとか、Galois群を色々計算してみるとかしてたので、ある意味院試対策をしていたのかもしれない。)

 

そんなこんなで春休みを迎えました。そろそろ院試とか言うものが目の上のたんこぶとして意識され始める時期ですね。私もざっと問題を眺めてみたり、学部数学の簡単な復習とかを始めました。とりあえず昔読んでた本=『線形代数の世界』や『集合と位相』(斎藤毅先生のやつ)をざっと読み返して演習問題を解き直したり、簡単な主張が頭に入っているか?証明がある程度空でかけるか?とか適用条件を緩めた反例で探せそうなものがあるなら探すとかをやったりした気がします。まあ2月ははゼミが立て込んでたりしたのであんまり意識的に院試対策に取り組んだって感じではないです。

 

上に書いた事とかゼミが一段落するのが3月頭だったので、そこから同期を誘って東工大の過去問を解き始めました。(院試対策ゼミみたいなのは誰かが言い出すだろって言って待ってたら永遠に誰も言い出さないので、うおーーってなって結局自分が発起人になってた。)大体週に2年分のペースで午前と午後の両方の問題を解き始めました。基本的には解いてきた過去問をみんなでワイワイ議論する感じです。これは院試対策にもなるしめちゃくちゃ楽しいので是非これから院試を控えてる人はやるといい気がします。もちろん周りに人がいればですが。結局10人くらい集まった気がします。我々の代はDiscordが盛んなのでディスコでやっていました。

東工大の問題についてとその感触

午前は基礎的な数学で、微積以外は上で書いた事をやっていたのもあって比較的はじめから解けたのですが、微積は元々苦手意識があった(解析全般が不得意)ので始めはポロポロと落としていました。(結局最後まで弱いのは微積だったのでホンマにカス。)

午後は専門科目で基本的に自分の専門のみを解けば良いです。私は代数系なので代数の問題を主に解きました。この対策会を開くことの言い出しっぺでもあったので、とりあえず模範解答的なものをすべて作ってディスコで共有することにしました。また、同期に色々問題の解説をしていました。(これが好手だった気がする。色々質問してくれたKくんやOさん達、ありがとうございます。詳しくは後でまた述べる。)

専門の問題もまあある程度時間さえかければ大抵自力で解けたので、まあ東工大はそこまで切羽詰まって対策しなくてもなんとかなりそうだなぁっていう感情になりました。そこでやはりRIMSを第一志望にして頑張ることを決意しました。

 

4月になり、春休みも終わり研究室セミナーも始まりいよいよ慌ただしくなりました。この時期は院試対策&講義&セミナー準備&自主ゼミ&趣味で完全にキャパが壊れてた気がします。個人的には直前期と同じくらい大変な時期でした。

特にうちの研究室は週2でセミナーがあったので、セミナー自体は楽しかったのですがそこそこ大変な思いをすることにはなりました。(後期はRIMSのM−0セミナーも始まるので、さらにまずい。こんなもの書いてないで勉強しろってなってる。)

 

そんなこんなで慌ただしく過ごしていたら気づいたら6月中旬、1Qも終わってました。あれ?あと2ヶ月で院試って不味くない?みたいな感情が少しずつ湧いてきます。ちょうどこの時期に東工大の過去問が25年分解き終わりました。偉い!!まあ少し早く始めすぎて結局東工大の対策は飽きてしまい、東工大の院試を解く能力はここらへんから試験本番までそんなに変わってない気がする。(ただし、口頭試問的なものへの準備=理論の大枠や、基本的な命題・定理の証明や典型的な具体例や反例などのストックは後で述べる模範解答やaddendumやチートシートTexうちのおかげでだいぶできた気がする。これらはRIMSの口頭試問で非常に役に立った。)

 

一通り東工大の過去問が解き終わると同時に次はRIMSの出願レポートとかいうのを準備することになりました。これは一つテーマを決めて数ページのレポートを書くみたいなやつです。私はGalois群と基本群というテーマで書きました。(ゴールは複素数体上の1変数有理関数体の絶対Galois群がCを基底とする自由副有限群になることを体そして被覆のGalois理論やRiemann面の理論から導くこと。)もし来年度以降受ける方がいれば、参考程度にはなると思うので言われたら送ります。

フォーマットに特に指定等はなかったとは思うのですが、見栄え等もあってTeXで書くことにしました。しかし私は生粋の機械音痴(東工大の学部1年の情報リテラシーで落単したくらい。)なのでまともにTeXなんて書いたことがありません。そこで同期に頭を下げて付きっきりで色々教えてもらいました。あのとき教えてくれたSくん、Hくん、Tくん、Sくんには感謝してもしきれません。

 

そんなこんなでたった5ページのレポートを一週間半もかけてようやく完成させました。マジでしんどかった。まあ思ってたよりは割とよく書けた気がします。しかし半分くらいこれで落ちるみたいな話を聞いていたので、(去年はすごく優秀と言われてる方が書類で落ちていたらしい)1次の合格発表直前までかなり不安な日々を過ごす事になりました。

 

一通り書類を書き終えたら、東工大の代数の25年分の模範解答とそこで用いた道具等の補足資料、また個人的に好きだったGalois理論の問題に関するpdfとかを作り始めました。上でも述べたようにこれが好手で時間は確かに吸われたけど、めちゃくちゃ口頭試問対策になったと思う。(東工大の口頭試問はそれほど厳しくはないのですが)

RIMSや東大数理(これは受けてないけど、同期の話を開く限り)の口頭試問はかなりの長丁場(RIMSは90分間、東大も60〜90分ほどらしい)かつ、かなり基礎的な部分の理解を問われます。(普段当たり前に道具として使ってるものが本当に理解できているのか?と自分に問いかけると良さげ。また典型的な例は一通り頭に入れておくと良いと思う。あんまり面接内容は口外できないのでふわっとしたアドバイスになってるけど。)

問題をきちんと最後まで解く。(これは計算をしっかりやりきる、答案を論理的に筋道建ててしっかりとすべて書く等まで含んでいる。)

また自分で色々まとめたり、それに関する同期からの質問にしっかり答えるっていうのがやっぱりいちばんの近道だなぁと思いました。

 

この解答や補足資料はほしい人がいたら声かけてください。今見ると書き直したいところ(数学的内容やTexの書き方←むしろ後者がヤバすぎるので、レイアウトをなんとかしたいけど面倒になってる。)が大量にありすぎてTwitter等で公開するのは気が乗らないので。

 

そんなことをしたり、星先生の集中講義(単遠アーベル幾何の集中講義が東工大であった)やセミナーの準備をしたり、ちょこちょこ京大の数学教室の過去問を解いたり、東大数理を受ける同期の院試対策ゼミ(セミナー室で昼の13時から夜中までワチャワチャしてた。楽しかった。)に顔を出したりしてたら気づいたら7月の末になってました。割と楽しかったので時間はあっという間に過ぎていきました。

 

ここでRIMSの1次発表がありました。とりあえず口頭試問には進めるみたいで安心しました。(やっぱりレポートである程度落とされてて肝が冷えました。)

セミナーは一通り終わり東工大対策はもう大詰めで、さらにRIMSから口頭試問で聞く問題を渡されました。これがなかなか難しくてこの時期は常に発狂しながら問題を解いていた気がします。いくら問題が難しくてもrims行くようなやつは全部解けるんだろうなとか考えると、解けない時点で受かりようがないって鬱になってました。(結局本番まで解けない問題も存在した。カス)

しかも東工大も急に落ちる気がしてきてだいぶ精神がまいっていたと思います。そんな中でやはり同期と数学の議論をしている時間は良い時間でした。心が落ち着くし、院試対策にもなる。一石二鳥とはまさにこのことだなぁなんて思いながらやってました。あと定期的にディスコで叫んだり歌を歌ったりしていたのも良かったと思います。この時期はみんな頭がおかしくなっていて、19数学系ディスコは日夜奇声が響き渡っていたと思います。(実は普段から奇声は飛び交ってる気もしなくはない。)

 

そうして本番を迎えました。初戦は東工大。この晩は緊張して朝の四時前に起きてしまいました。居ても立っても居られないので7時には大学についていたと思います。そこでもやはり同期は心強い存在でした。地の利って偉い!!

 

試験の出来ですが、正直午前も午後も想定していた最悪の場合くらいの出来でした。午前の詳しい試験の問題の感想はすくくんのやつを見てもらって。

午後は全完するつもりだったけど、大問1のGalois理論の問題は完答できたけど、結局可換環の最後の小問が取れませんでした。終わったあとみんな議論したらそんなに難しくない(けど少し思いつきにくい)みたいな問題で、また発狂してました。解けてたGalois理論の問題ももっと簡単な方法がある事に気づき、あほ丸出しの解答で悲しかったです。(より一般の設定で成り立つ補題を知っていて、それを使ったけど今回はそんな小難しい補題を用意しなくてもよかった)とりあえず感触的には午後は8割弱、午前は6割弱くらい?だと思います。普通に悪くてメンタルがやられました。

 

口頭試問の発表が出るまではめちゃくちゃ不安でした。結局口頭試問には進めて(ここで78人中34人くらい落ちていた。)、しかも午前の口頭試問だったので簡単なやり取り(5分程)で終わり合格を確信しました。(簡単な捕捉をしておくと、少なくとも2023年度の院試では東工大代数系または解析系は口頭試問の午前組と午後組で聞かれる話も時間も違うっぽいです。おそらく試験の点数で分けていて、試験がそこそこ取れていると午前、そうでないと午後になると思います。午前組はよっぽど社会不適合な行動をしなければ落ちないと思います。例えば服を脱ぐとか叫びだして試問が進行不可能になるとかしなければ。ただし、午後の方は代数は半分くらい口頭試問で落とされていたので、やはりある程度の準備と覚悟が必要っぽいです。幾何は関係なさそう。)

 

とりあえず浪人はなさそうって落ち着けたので、そこから少し休んでRIMSの口頭試問に備えました。結局解けない問題は最後まで解けず、敗戦濃厚だなぁってなりながら試験に臨みました。

 

RIMSの試験ですが、結局何故か解けた問題以外は全く聞かれず、幸運なことに知ってる話しか聞かれなかったのですべての質問に正確に答えることができました。聞かれたのは専門と基礎から一問ずつです。基礎の方は15分程ですべて答えられて、専門の方はかなり重い問題+いろいろなことを聞かれたので60分くらいかかりました。(条件を緩めるとどうなる?とかこのfactの証明は?とかすべてこれまでの勉強でやってきたり、院試ゼミとかで触れた&直前にしっかりと準備してきたものしか聞かれなかったのが奇跡だった。)

とはいえ解けなかった問題があることは正直に白状したし、代数幾何学を全然勉強できてないって答えたりしたので普通に落ちてる気しかしなくて、まあ来年も東工大で頑張るか〜みたいな感じでした。結局口頭試問ですべて答えられたのが、割と評価をされたみたいで合格できたみたいですが。そんな感じで運ゲーで実力不足の人間が紛れ込んでしまったのが否めないのですが…。

 

私の院試体験記はこんな感じです。やはり持つべきものは優秀な同期何だなぁと常々感じました。

院試対策会に付き合ってくれたりしんどい時に一緒に発狂してくれた同期たちには感謝してもしきれません。来年度以降は環境が変わり、東工大を離れるのですが変わらず仲良くしてくれたら嬉しいですね。卵のおごりで叙々苑いくぞ!

 

 

ここまで拙い文章を見てくれた方、(存在するならば)ありがとう御座いました。

ふゆやすみ(ふつかめ)

10時ごろ?に起きた気がする。なんとなく寺杣『』『リーマン面の理論』をぼーっと眺めてて、ふと実多様体の復習がしたくなったので、坪井『多様体入門』を読んでた。思いの外忘れてるところも多くて、割と復習のタイミングとしては良かった?かもしれない。
その後は、昨日のゼミでやったことを軽く見直して、マンフォードを眺めてた。なんか全体的に集中力がなくて眺めるだけになってる。
その後、新しく仮眠スペースみたいなのを整理したので、仮眠してみた。そしたら思いの外よく眠れて気づいたら夜飯の時間になってた。夜ごはんを食べた後はなんかまた眠くなってぼーっとYou Tube見てたらもうこんな時間になってる。全体的にメリハリもなにもない1日になってしまった。

B3ふゆやすみ(いちにちめ)

8時45起床。部活で走るはずが寝坊してしまい練習に遅刻。結局走れなかった。カス。
13時半から、Riemann面のゼミ。今日は聴講側だった。まだ2回目だけどいい感じに進められそうなのでB4夏前にはある程度読み終わりたい。
その後は、家に帰ってクリスマスらしいので家族で飯を食べてた。
夜は、12/29のゼミ発表の予習をしながら、系の後輩のスペースに入って数学のお話をしていた。初めて喋ったB2の人とかもいて、楽しかった。数学の話、一度始めると止まらないがち。
明日は、いくつかあるゼミ予習と、教養卒論の進捗を産まないとやばい。ゼミはなんとかなるとしても、教養卒論が嫌すぎる。

藤崎『体とGalois理論2』のどくしょかんそーぶん。

最近日記の更新をサボりまくって何もしていなかったので、なんか書くかって気分になったので夏休み(と2Q)で読んでた藤崎『体とGalois理論2』の読書感想文を書こうと思います。
これは分冊版(計3冊。現在は1冊にまとまっている)の2巻目で、主に体の有限次拡大のGalois理論に関する内容を取り扱っています。
細かい話は1巻の時にしたので、主に2巻目の類書との違いを話します。
例の詳しさ、載っている主張の豊富さなどはまあ分厚いのでそれはそうなんですけど、特に顕著な点は、Abel-p拡大に関してWitt vectorの環の定義から非常に丁寧かつ端的にまとまって書かれていることです。和書だと僕の知っている限りだと雪江3冊目(黄色雪江)の補足の章に少し扱われていますが藤崎ではより丁寧かつ様々な内容が書かれています。またKummer理論も同様に非常によく書かれていて、self-containedかつ非常に面白い話題が載っています。
元々私が藤崎読むかってなった目的の1つがこの辺りの話題について、詳しく知りたいってモチベだったので個人的には非常に満足しています。
簡単にAbel-p拡大の理論をまとめると、正標数pの体Fの有限次Abel-p拡大は、Fと素数pに対して定まるWitt環と呼ばれる対象(これは離散付値環になる。例えば有限体Fpに対しては、p進整数環が定まる)の情報のみで完全に記述されます。
(正確に言うとあるmを固定したとき、Galois群の指数がp^mの約数となる有限次Abel-p拡大が、長さmのWitt環を加法群と見たときの部分群と一対一に対応する。具体的な対応関係はKummerの理論などと類似の関係です。)
個人的にはこの主張はとても非自明かつ綺麗に感じました。Kummerの理論もそうですが、ある種の条件を満たす体Fの拡大体がFに内在的な情報のみで決定されてしまうのは不思議な気分になります。
現在、3巻を軽く読み始めているのですが少しパラパラと全体を見てみたところ、付値論のところで考えている体が完全体だと、Witt環が完備離散付値環になるという主張を見ました。この辺りの話も今から楽しみだなぁーって思います。
まあ付値論は第6章で、まだちゃんと読み始めたのは4章頭なので先は長いけど。
他にも様々な面白い話(Z/pZの代数的閉包の特徴づけ、様々なGalois群の具体的な計算など)が載っていて、2巻目も飽きることなく読めました。
とても良い本なのでぜひ読んでみてください。

B3なつやすみ(よんじゅうににちめ)

12:00起床。そろそろ後期も始まるしある程度早く起きないといけないので明日から頑張る。
ご飯を食べて、『大学院への代数学』を4問解いた。3問は答案的な物を書くまででそれぞれ30分くらいだったけど1問かなり苦戦して2時間近く格闘してた。けどとりあえず解けて満足。ついでに問題で扱われてた、分離次数とかの辺りを復習した。何だかんだ問題を解くのは楽しい。高校時代を思い出した。後期から演習がなくなるのは残念だけどまあその分自分で解く。
16:30くらいまでやっていた。その後は1時間ほど藤崎の続きを読んだ。
17:30~散歩&夜ご飯を食べて、18:30~19:30までまた藤崎の続きを読む。
20:00~バイト。バイト終わりにバ先の自習室を借りて藤崎を読んでいた。方程式の可解性の辺りのまとめ。昔やったときはなんかいまいちしっくりこなかったけど、今回は割と楽しかった。
だいぶ余裕が出てきたので細かい計算テクニックとかを追っかける元気が出てきて、これも高校時代を思い出して楽しかった。何だかんだ具体的な対象をコネコネするのは楽しいですね。抽象論をやった後だと特に。
寝る前に少し明日のゼミの予習をした。境界付多様体のところ。
明日起きたらもう少し細部を詰める必要がありそう。

B3なつやすみ(よんじゅういちにちめ)

11:30起床。ご飯を食べた後、東屋先生の論文をゼミで発表するかもしれないし、そうじゃないかも知れないけど、読んだ。用語の定義で調べてもなかなか出てこないやつが未定義で書かれていたのを色々調べたり、いくつか証明を別の論文に投げられてる主張とか具体例作りとかをその論文達が見つからないので気合で示そうとした。いくつかはなんとなく上手く回りそうだけど、回らないものもあったので、しんどいなぁってなってる。無難に本の発表をして、もう少し余裕が出来たらこれの発表をする事に落ち着きそう。
その後は、ミルナー微分トポロジーの本の予習をした。Twitterで喋ってたけど、代数学の基本定理微分トポロジーを用いた(微分トポロジーなんてたいそうなものではなくて、B3の標準的な多様体論で解決するレベルの道具だけど)証明がかなり面白かった。
道具としては、「M,Nは次元の等しい滑らかな多様体で、Mはコンパクト、f:M→Nを滑らかな写像としy∈Nを正則値とする。この時f^(-1)(y)は有限集合となる。またyにf^(-1)(y)の元の個数を対応させる写像は局所定数写像であること」
「連結集合上定義された、局所定数関数は定数関数になる」
を用いる。
いま定数でない多項式をC→Cという関数とみてそれにより誘導される(立体射影を用いる)S^2→S^2という滑らかな写像が有限個の臨界値を持つことを示して、それと上の主張と組み合わせることで多項式関数の全射性が示される。(詳細はミルナーの本を見てください。とはいえミルナーの本にもアウトラインしか書いてないのでかなりの部分を自分で詰める必要があったけど。)
一応代数学の基本定理の証明は7個追ったことになるけどどれも様々な道具の強さを示すもので、とりあえず新しい道具が手には行ったら代数学の基本定理をボコっておく風潮でもあるのか?ってなってる。まあ面白いのでヨシ!
『Topology from the Differential Viewpoint』確かに速習用なんだなと思うけど、きちんとここはほんまか?って確かめながら読んでいくとなかなか歯ごたえがある本なのでは?ってなってる。上で書いたやつもこうすれば良いとかこんなのを作ればいけるやで見たいな感じで書かれているのである程度自分で行間を埋める必要がある。けど、良い幾何の演習だなぁってなってるので今のところは楽しい。
18:30からバイト。疲れた。
夜は少しミルナーの本の続きを読んでその後は永田先生の『大学院への代数学』の問題を数問解いた。簡単目なGalois理論の問題を解いた。東工大のも出てたけど、本番これぐらいの難易度ならとても気が楽だなぁってなってる。まあある程度難易度が上振れても焦らない程度には勉強するつもり。というかこれぐらいの事を使いこなせないと将来困るので院試に関係なくしっかりと演習をやらないとなぁってなってる。

B3なつやすみ(さんじゅうななにちめ&さんじゅうはちにちめ)

37日目 12:50起床。「すうがくぶんか」さんと東工大理学院数学系の合同の「タイヒミューラー祭り」を13:00から見た。ちなみにタイヒミューラー理論に関しては全くの無知だったけど、第二部まではなんとなく聞けた。特に第二部の辺りの話は細かい話は別としてたまたま個人的に勉強している話と少し関連があったので、はえーってなりながら聞いていた。
第三部は前提知識的に全く分からずにボコボコにされてた。代数幾何、なんも知らないのでごめんなさいってなってる。
17:00まで見てた。その後は、まだ副反応が残ってて腕の痛み&微熱が続いているので布団で死んでいた。ぶっ通しで四時間近く講義(?)を聞いたのは久しぶりなのもありそう。
昔見てたゲーム実況者のシリーズが知らないうちに色々貯まってたのでそれをずっと見てた。いや、体調悪いなら寝ろよって今になって思ってる。
とはいえ何だかんだ楽しい一日だった。

38日目 8:30起床。短ミーティングをやった。
三回目で多少学習して、司会の私が喋るよりは話を振った方がダレにくいってことに気づいた。
というわけで、積極的に話を振った(つもり)。
ほとんどまともに仕事が出来ていない&走れていない短チーフでごめんなさい。

終わった後はご飯を食べながら軽く同期と駄弁った。
その後は、14:30からゼミをやるつもりだったのでそれの準備を軽くしてたけど、流れたのでやることがなくなった。睡眠時間が3時間とかだったので、少し寝た。
1時間ほど寝て、15:30に起きた。藤崎の指標の節の復習と可解群の復習&可解拡大の諸性質を確認した。
17:30~19:00まで今週土曜にやるゼミの本(『Topology from the Differential Viewpoint』)の予習をした。1つそこそこの行間で困ってる。思ったより予習が進まなかったので、明日に回す。
ご飯を食べた。20:00~バイト。疲れた。
夜は、YouTube でたまたま目にした、類体論の入門的な発表を見た。基本的にはオーソドックスな構成(お気持ちをしっかり話していて、細部の証明などは割愛されている)だったけど、最後に、ZFCならPIDならUFDが成り立つけど、ZFならそれが言えない(UFDだけど、体でない&素元を持たないものが存在する事を示して、そこから従う)が類体論の応用で示されるとかいう全く結びつかない2つを結びつけた意味が分からない(ほめ言葉)結果が紹介されてて、ウケてた。
この最後のやつだけで、どの動画を見たのか分かる人はいそう。